絵、音楽

良かった音楽15選 / 23年4月-6月

 

今回の雑記:近況報告

最近は夏コミへ向けて評論誌の打ち合わせ(という名の飯)をしたり、来年春M3へ向けて創作の打ち合わせ(という名の最近の良い曲共有)をしたり。まだアルバムタイトルすら確定できていないのだけど、表現したいことは明確に定まっているし企画書初稿もだいぶ早いペースで書けたのでまあここからはゆっくりとやっていければいいなと思っています。

アラサーになって会社以外の新しいコミュニティに身を置いて、新しく仲良い人たちができていく感覚が最近面白いです。面白いし、それがアニメ評論のフィールドにあるとは正直全く予想していませんでした。アニメを観て、ときどき感想を書いて、評論誌の原稿も書いて、なんか気がついたら共同編集として校正もやってて、アニメを1カットずつ止めて演出意図を検討する鑑賞会に参加して、ご飯に行って他愛もないオタク・トークをする。楽しくない訳ないです。「自分に素養があるとは思わないけど、折角発見してくれたならバグ技で色々飛び越えていきなり界隈最高水準にリーチしてみる」という基本理念の賜物でもあり、やっぱり周りの人の運にも恵まれてると思います。まあこれものめり込み過ぎるのはよくないので自分のペースで、だけど誠実に、やっていければいいかなと。

それはそれとして、このブログは完全身内向けのつもりなので、これまで通り完全に肩の力抜いてほとんど脳直でやっていきます。こんなアウトプットでも後の体験に活きたり、意外と芯を食ってたりするので大事。

そうこうしているうちに復職間近です。いけるのかなあ......最近マシになってきてるとはいえ依然まずいんだけど、そもそも実質的な人生の選択権がいよいよ無いので、どちらかと言えば復職する「しかない」。それに、最近気付いたんですけど、自分はやっぱり一定以上に健康な生活の延長線上に創作物を捉えたいんだなと。虚心坦懐に「趣味」と「生活」を切り離して楽しむべきみたいな言説が流行りだけど自分は全然そうは思わなくて、できれば両者は同じレイヤーにあるべきだし、そうでなくともせめて相互補間にあるべきです。つまり先述の言説の「生活」は限定不十分で、正確には「一定以上に健康な生活」だということ。「一定以上に健康な生活」によるフィードバックがあって初めて虚心坦懐に「趣味」を楽しむという感覚がギリギリ成り立つし、逆に言えば虚心坦懐に楽しめる「趣味」によるフィードバックがあって初めて「一定以上に健康な生活」がギリギリ成り立つ。更にすごく噛み砕いて言うと、要するにアニメの話とかを楽しくしてるときに自身の精神疾患を意識したり意識させたくなくて、もう遅いかもしれないけど、それでも健康なオタクでいることを諦めたくないんです。せめて友達の前では笑顔でいたい。「だって君の家にしかない  ゲームができなくなったら  困る  困る」ので。

がんがりまーす

 

PK shampoo『SSME』

まず曲が短いのがマジで良い。andymoriの『革命』ぐらい短い。焦燥ロックの幻影をいつまでも追いかけ続ける僕らにできることと言えば小山田壮平の路上ライブの動画を漁るくらいが精々な訳ですが、その陰でヤマトパンクスが何気にコツコツとセカイ系を叫び続けているのはさすがに見過ごせない。

冒頭の韻の踏み方が巧すぎて一瞬で上空まで加速できるのマジですげ~。「昨日神津神社で寝てたせいか  気がついたらもう駆け出していた」ってヤマトの半生からしか出てこないリリックだしね。ヤマトパンクス作詞作曲で青山吉能さん歌唱とかやるべきだと思うんですけど。ぼっちちゃん酒で終わって神社で寝てる概念、無いとも言い切れないのが怖いです。

 

UNISON SQUARE GARDENスペースシャトル・ララバイ』

あまりにも田淵、というか、違うな、あまりにもUNISON SQUARE GARDEN過ぎて、「もう帰らないスペースシャトル 見上げて手を振ってる僕ら」で普通に泣いてしまう。UNISON SQUARE GARDENって3ピースバンドなんですよ。いやもちろん『君の瞳に恋してない』とか『kaleido proud fiesta』みたいにブラスやストリングスが豪華な曲も大好きなんだけど、UNISON SQUARE GARDENって3ピースバンドなんだよなあ。

 

Cody・Lee(李)『おどる ひかり』

今期アニソン個人的ベスト。ダントツ。『青い栞』を彷彿とさせるような一定のビートと音数の少ない編曲がリピートしやすさにめちゃめちゃ貢献している。人間とエルフの寿命の違いの儚さにきちんと向き合いながらも徹底して穏やかな日常を届ける『江戸前エルフ』という作品のEDテーマとしてこれ以上ふさわしいものは無い。なんならOP/EDディレクションの枠で捉えてもダントツ今期一だなあ。本当に。

隅田川に降る夕陽 ビルの間の5月」って歌詞おれ好きそうすぎる。全部好きです。

 

fhána『Runaway World』

佐藤純一、もはや枯れるとか枯れないとかそういう次元に居ないんじゃないかと思ってきた。マジでモノガチガウ。これまでの楽曲で一番近いのは『わたしのための物語 ~My Uncompleted Story~』だと一応言えるとは思うんだけど、『Runaway World』はほとんど全てのパートで手癖を捨て去ってるのが決定的に新しい。詞もメロディもアレンジも史上最大に力強いのにfhánaらしい流麗さも全然失われていなくてマジで混乱する。

yuxuki wagaの楽曲も好きだったので脱退は残念だけど、今後のfhánaにも十分すぎる期待が持てるシングルでした。

 

22/7『僕は今夜、出て行く』

ナナニジの曲で一番好き。秋元康の詞はもともと好みなものが多いのだけど、『ヘビーローテーション』くらい明るすぎてもなんとなく合わないし(それでも全然好きだけど)、坂道シリーズは基本暗いし(それでも好きなのは好きだけど)。『曇り空の向こうは晴れている』ほど死生観に寄り過ぎてる訳でもない。作編曲も透き通っててめちゃめちゃ良いのでシンプルに聴きやすい良い曲です。

2年くらい前から追っていたアニメ語り系ツイッタラー2人がナナニジのオタクで、個人的に去年リリースの『曇り空の向こうは晴れている』にいたく感動したというのもあってちょっと前からかなり『22/7 計算中』を見てます。かなり面白い。『ゴッドタン』が何気に好きなので、MCが三四郎であるのも丁度いいし、堀口悠紀子デザインがずっと見れるの普通に最高だし、何より相当実験的なことをやってるはずなのにアイドルたちの姿が自然で心地いい。「萌えキャラ的なガワとそれを通して喋っている人がいて、そのどちらに注目してもいい」という価値観がVTuberによって定着するより遥か昔(2016年)から流行を先取りして始まったプロジェクトなので初期はだいぶ難航していた記憶があるけど、今は受容とようやく重なってお金が集まってきたっぽくて、現行のseason5とseason1を並行して見てると涙ぐましいものがあります。おれが注目できていなかった間に推しのひとりである河野都さん/倉岡水巴さんが卒業してしまっているの本当に悲しい。藤間桜さんと神木みかみさんも同じくらい推してるので、今はとにかくこの2人が卒業しないことを祈るのみ(最初期メンバーなので尚のこと)。。。

 

社築『ゲーム・ボーイ・アワー』

「あぁ、今⽇も 積んでいた 安ゲームの出来に
感動したりしてるんだ 君もそうだろ?」←ーーーー~~~~はい。。。。

じんってやっぱフォークなんだよなあ。だから、『ロストデイアワー』の郷愁の原風景をオフィス街に置き換えて、目一杯ハッピーな感じの編曲にして、、、、、いや、これだけだと『ゲーム・ボーイ・アワー』にはならないんだよなああああああ。じんさん本人がこの間の弾き語り配信で「大好きな人だから、ご一緒できて嬉しかった」「おれが演っても『ゲーム・ボーイ・アワー』にはならない」と言ってた通りなんだよなあ。あまりも社築という人間のうた。

それはそれとしてじんってやっぱフォークなので、アコギによる弾き語りは(『ゲーム・ボーイ・アワー』にはなってないけど)普通に最高でした。

 

長瀬有花『ほんの感想』

日常と非日常のグラデーションの理想形なんじゃないですかね、これ。。。。あともう、いよわさんの曲に人間ボーカルあてるなら長瀬有花さんだなというのが完全に確信に変わった。。。こういうのを6月30日に放り込まれると困るんですよ。。

主線無しの、色トレスのみで構成される、幻想的で有機的な色とタッチのアニメ映像を勝手に妄想しています。実際これMV作るとしたらこれまでのいよわさんの映像とは違う表現になるんじゃないかなあ。

 

ヨルシカ『斜陽』

メロディが綺麗すぎる。何から何までストイック。

 

花芽すみれ『げむげむ☆おーばー』

VTuberの配信OP(待機画面)ってだいたいチルいインストか持ち曲か持ち曲のオケか音MADなので、魔界ノりりむ『poe poe♡cosmic』や花芽すみれ『げむげむ☆おーばー』みたいにOP用のオリ曲を用意するのって非常に珍しいんですよ。OP然としている必要がある一方、配信が始まるまで繰り返し流れるのだから感情を揺さぶるような展開をつけるわけにもいかない → だからお金を掛けても単体ではウケにくい曲になってしまう。珍しい曲には珍しいなりの理由がある。

みたいな理屈を全部すっ飛ばす可愛さがあるんだよな。。。アウトロのオケとユルくユニゾンするというアイデアが特に好きです。odykによる手描きアニメも素晴らしい。

 

やなぎなぎ『ユキハルアメ』

春擬き2」を依頼され、差別化のためにサビで手癖を抜き去った結果とんでもなく良いメロディが生まれてしまった曲(全て憶測ですが・・・)。北川勝利は「2」を依頼されたら割と素直に従う印象があるので、急にどうしたんだという。流石に「春擬き2」作らされすぎたか。とにかくこんな良いメロディ滅多に無いです。

 

由崎司(CV:鬼頭明里)『Tsukasa's♪Kitchen』

鬼頭明里さんに渋谷系を歌わせる流れが確実に来ている。『Dear Doze Days』がケルト調を掛け合わせていて凄すぎたぶんこっちはよくある「普通の」渋谷系アニソンに感じてしまうけど、それでも「普通に」好きになってしまう渋谷系キッズな感覚をこれからも大切にしたいと思いました。

セリフ表現があるのはキャラソンならではという感じで良かったです。なんなら渋谷系キャラソン文化にセリフを義務付けてほしい。もったいないので。『ドラマチックマーケットライド』の落ちサビの終端とか何気にセリフ的表現な訳で、あれがあるのと無いのじゃたぶん大違いだよね、という。

 

Ado『いばら』

Vaundyって『怪獣の花唄』の後闇落ちして露悪ばかりやるようになった印象(マジで偏見)なんだけど、おれの中で再評価の流れが来ている。明るい曲は明るいってだけで良いですからね。

てか東京事変フォロワーすぎ。令和最新版東京事変フォロワー2大巨頭がTEMPLIMEとVaundyなの面白すぎるでしょ

 

一柳隊『トウメイダイアリー』

神田ジョンが今年も天才すぎる!!!佐伯さんのラインはアサルトリリィ ふるーつ2期を早くやってください。

 

健屋花那『my rule!』

今まで聴いてきた「え アタシ!?」の中で一番音圧あって声出た。

 

星街すいせい『スイちゃんのメンテナンスソング』

ササキトモコ濃度高いな~。なんかおれここ1年くらいずっと星街すいせいさんの曲推してない?気のせいかな。

 

 

以上です。