魔が差した。 いかにも月並みだが、嚆矢というのは往々にしてこういうものなのではなかろうか。 まだ五月も上旬だというのに、容赦無く照り付ける陽射しに目が眩む。うだつの上がらない僕を、茹だるような熱が包み込む。 また夏が来る。夏の空気は、それだけ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。