荒野

絵、音楽

『少女終末旅行』展に行ってきた。焚き火のカットについて考える など

原宿ACG_Laboで2/9から開催されていた展示を見てきた。今日が最終日。

 

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さて、展示の内容は、漫画の複製原稿、アニメ本編の複製原画、アニメOPの絵コンテ、アニメEDのラフ原・原画・Vコンテ、アニメの設定資料など様々であったが、一番の見所はEDのVコンテだったと僕は思う。

会場の隅っこの小さなディスプレイで流されていたので、気付かなかった人も多かったかも知れない。

 

Vコンテ(=ビデオコンテ)というのは、その名の通り絵コンテの映像版のようなものだ。映像によって大まかな完成図を示し、演出指示を与える。特にカットごとの長さやタイミングを分かりやすく示せるという利点がある。まあこのEDの場合、つくみず先生自身が原画も動画も背景美術も仕上げも撮影もやってるので自身に与えている訳だけど。(尤も、これはあまり本質的なことではないけど、展示されていた原画を見る感じだと背景美術や仕上げも原画内で処理してるっぽい)

その前段階となる絵コンテは以前つくみず先生が自身のTwitterで公開していた(今も見れるのかは知らない)が、曲がついて、絵もラフ原か原画に近いものになっているカットが多く、より完成像に近いものになっていた。

ちなみに曲(More One Night)はよく聴いたら仮歌段階だった。これも結構貴重かも知れない。(仮歌を聴く機会なんてなかなか無いので僕の勝手なイメージでボカロPは仮歌にボカロを使うものだと思っていたが、ピッチをいじった人間の声だった。emonさん本人なのだろうか?)

 

ここで注目したいのが、Vコンテ作成時におけるカットごとの完成度の違いだ。というか、Vコンテなのにも関わらずほぼ完成しているカットが存在したという事実だ。

前半部分(イントロ~Bメロまで)は、ループしたキャラや背景動画の動きが多いためほとんど1カットにつき1,2枚でコンテが構成されている。サビ前半にはある程度大きな動きがあるためキーフレームっぽいところを切り出してあるが、やはり飽くまでもコンテではある。

 

しかし、漫画の最終話を想起させるような殺風景な場所でチトとユーリが焚き火をするカット(歌詞で言うと『もう終わんない』の繰り返しのところ)だけは四隅の鉛筆タッチの枠?のようなものを除けばほぼテレビで流れた完成映像だったのだ。

これはつくみず先生が意識的にこのカットをとても優先して描いた、つまり絶対にこのカットは描きたかった、EDに組み込むことにしていた、ということに他ならないだろう。

そもそも漫画の最終話の意図は何なのか?とか、つくみず先生は最初から最終話の展開を想定して描いていたのか?とかそういうことは置いておいて、兎にも角にもつくみず先生の頭の中でこのカットのような風景が『少女終末旅行』において非常に重要な位置付けである、ということなのだろう。

果ては、つくみず先生の心象風景でもあるのかも知れない。

 

というところまで考えました。

 

 

その他、展の感想箇条書き

・単行本より大きなサイズで原稿が見れたのはやはり良かった。紙だし。

・8話『月光』の原画が良かった。7話『調理』の原画も良かったんだけどあまり人気がなくて悲しかった。

・8話の台本の表紙絵が良かった。

・EDのチトがユーリの頭を叩いているところの背景のみの原画が素朴でとても良かった。

・寄せ書きスペースみたいなところに描いてあったつくみず先生本人の絵が良かった。せっかくなので僕もちょろっと書いた。