絵、音楽

ゼルダTotKの良かったところ、悪かったところ

散々寄り道したり普通にサボってたりしたら発売から3か月以上経っていた。作業フェーズ(TotKだと例えばゾナウエネルギーの結晶集めなど)に入るとアニラジを延々聴いてしまうのでなかなかメインストーリーを進めるのが難しいという個人的な話があったりする。ウロウロしてる間にも世間のゲームメタの速度は凄まじく、もうディアブロ4やらスト6やらアーマードコア6とかなんも着いてけてません。この後も暫くCelesteのMODやる予定だし......。

それはそれとして、いい加減とりあえず通常クリアはしとこうか、友達と話すときネタバレに気を遣わせちゃうことが多かったし、RTAも見れないし、と思ってハイラル城へ向かったらもう大変。なんか全然終わる感じじゃない。考えてみれば藤林秀麿がBotWと同じワールドで同じ攻略をさせる訳もなくて、「空と地底を行き来する」というTotK特有のゲーム体験を活かした意外性にぐいぐい引き込まれて、そのままクリアまで突っ走っていたなあ。

総評としては良いゲームだったのだけど、良かったところと悪かったところはかなりハッキリとしているので書き留めておこうと思う。

 

良かったところ

・「手をのばす/手をつなぐ/手を取り合う」という主題が、直截的に、しかし露骨すぎない程度に表現されていたこと

まず、オープニングでリンクは強い瘴気に晒される。ここで失った力をどうにかしていく最初の一歩が、ラウルから受け継ぐ「腕」。あるいは本作のゲーム体験の核のひとつであるDIY要素。先述の「腕」に宿るウルトラハンドやスクラビルドなどの力を使って、プレイヤーは自分の「手」であれこれ工夫を凝らして苦境を乗り越えていく。また、各神殿クリア後には対応する英傑との絆が結ばれる。ここで強調されるのは「手をつなぐ」という動作である。そして何より、ガノン撃破後の最後のプレイアブルシーンでもとりわけ印象的な「手をのばす」というコマンド。何がなんでもここで主題に気付くようにできているが、「自由落下するゼルダ」を助けるという目的の方が先行しているため、やはり露骨にならない。

この仕掛けが本当に素晴らしかった。人類の進化は人間そのものより文化にあって、これまでに醸造された文化をプレイヤー自らの「手」でなぞることによって豊かさを獲得していく。そういう基本原理が描かれていた。

 

・はじまりの空島の体験の豊かさ

BotWのはじまりの大地の数倍豊か。すごすぎた。ウルトラハンドやスクラビルドがゼルダの世界観を全く破壊せずそこに存在していて、自由に遊べるというプリミティブな喜び。

 

・地底の存在

発売までひた隠しにされていた(はず)。後述するように序盤の移動はダルいし採掘メインなのでほとんど退屈なのだけど、初めて深穴を飛び降りたときはまあ脳が死ぬほど痺れた。ローメイ遺跡の地上→空→地底の周回ギミックや神殿が地上だけでなく空にあったり地底にあったりする演出も非常にうまくはまっていた。特に炎の神殿とか、当たり前のように見えてオープンワールドでミクロとマクロを両立させてるの普通にやばいと思う。

 

・時の神殿を始めとするファンサービスの体をなした歴史

ゼルダシリーズは基本的に過去作要素の繰り返しで成り立ってる部分があるから正確にはファンサービスではないのかもだけど、歴史の上にいるという感覚がゲーム体験を鋭敏にさせる。当然過去作の壁は立ちはだかる訳だが、これまた当然のごとく単なるファンサービスの枠にとどまることなく、まったく新しいダンジョンを楽しむことができた。

 

・ゲームシステムの虚をついたガノン

ガノン第2形態のHPゲージが中央揃えではなく不自然に右へ伸びていくという仕草には、『UNDERTALE』的な「第四の壁」越えを感じてまあそこそこ昂った。しかしそれより何より、ガノンも回避ジャストを使ってきたことにとにかく感嘆せざるをえなかった。たしかにリンクにできる肉体操作がガノンにできないわけはないわけで。勝負も終盤になってくると回避ジャストの応酬を決めなければなかなかダメージが通らないが、それが故に決まったときの気持ち良さ/手応えが半端じゃなかった。

 

・一部キャラが美少女化していたこと

主にゼルダとプルアのこと。下世話な話だし実情は知らないが、エロ同人があってもおかしくないと思う。エロに興味がなくとも、まあ適度に美少女でいてくれて助かることはあっても困ることはない。

 

悪かったところ

・「祝福」の祠が多すぎる

祠に辿り着くまでの謎解きの比重が高すぎて、肝心の祠内の謎解きがおざなりになっている。空島でクリスタル運ぶやつとか別に謎解きでもなんでもないただの作業だし。これはもう完全に明確にBotWに劣るポイントだった。

 

・地底の移動がダルすぎる

慣れてきてからはフライングマシンで割と快適に探索できるが、序盤はかなりしんどい。おどろおどろしくて怖いし、暗くて見えないし、敵も強いし。リタイアしたい人にとってはこれだけで十分リタイアする理由になりうる(実際そういう配信者も見てきた)。

 

・難易度が高すぎる

スクラビルドで序盤から簡単に高火力の武器を作りだせるからなのか、雑魚敵のレベルが雑に高い。どちらかと言えば初心者にとってまず上げたいのは防御力かと思うが(死なないことが重要)、BotWと同じく防具の強化には異常な素材を要する。これも十分リタイアする理由になりうると思う。

 

・中盤までのストーリーが雑すぎる

せっかく四つの大きな種族があって、それぞれの地域への道のり、街並み、神殿内部のデザイン、大ボスのデザインも四者四様なのに、まったく同じ歴史がまったく同じ視点から語られる。きわめて雑。魂の賢者以降の終盤のストーリーこそ良かったものの。

 

こんな感じです

良かった音楽15選 / 23年4月-6月

 

今回の雑記:近況報告

最近は夏コミへ向けて評論誌の打ち合わせ(という名の飯)をしたり、来年春M3へ向けて創作の打ち合わせ(という名の最近の良い曲共有)をしたり。まだアルバムタイトルすら確定できていないのだけど、表現したいことは明確に定まっているし企画書初稿もだいぶ早いペースで書けたのでまあここからはゆっくりとやっていければいいなと思っています。

アラサーになって会社以外の新しいコミュニティに身を置いて、新しく仲良い人たちができていく感覚が最近面白いです。面白いし、それがアニメ評論のフィールドにあるとは正直全く予想していませんでした。アニメを観て、ときどき感想を書いて、評論誌の原稿も書いて、なんか気がついたら共同編集として校正もやってて、アニメを1カットずつ止めて演出意図を検討する鑑賞会に参加して、ご飯に行って他愛もないオタク・トークをする。楽しくない訳ないです。「自分に素養があるとは思わないけど、折角発見してくれたならバグ技で色々飛び越えていきなり界隈最高水準にリーチしてみる」という基本理念の賜物でもあり、やっぱり周りの人の運にも恵まれてると思います。まあこれものめり込み過ぎるのはよくないので自分のペースで、だけど誠実に、やっていければいいかなと。

それはそれとして、このブログは完全身内向けのつもりなので、これまで通り完全に肩の力抜いてほとんど脳直でやっていきます。こんなアウトプットでも後の体験に活きたり、意外と芯を食ってたりするので大事。

そうこうしているうちに復職間近です。いけるのかなあ......最近マシになってきてるとはいえ依然まずいんだけど、そもそも実質的な人生の選択権がいよいよ無いので、どちらかと言えば復職する「しかない」。それに、最近気付いたんですけど、自分はやっぱり一定以上に健康な生活の延長線上に創作物を捉えたいんだなと。虚心坦懐に「趣味」と「生活」を切り離して楽しむべきみたいな言説が流行りだけど自分は全然そうは思わなくて、できれば両者は同じレイヤーにあるべきだし、そうでなくともせめて相互補間にあるべきです。つまり先述の言説の「生活」は限定不十分で、正確には「一定以上に健康な生活」だということ。「一定以上に健康な生活」によるフィードバックがあって初めて虚心坦懐に「趣味」を楽しむという感覚がギリギリ成り立つし、逆に言えば虚心坦懐に楽しめる「趣味」によるフィードバックがあって初めて「一定以上に健康な生活」がギリギリ成り立つ。更にすごく噛み砕いて言うと、要するにアニメの話とかを楽しくしてるときに自身の精神疾患を意識したり意識させたくなくて、もう遅いかもしれないけど、それでも健康なオタクでいることを諦めたくないんです。せめて友達の前では笑顔でいたい。「だって君の家にしかない  ゲームができなくなったら  困る  困る」ので。

がんがりまーす

 

PK shampoo『SSME』

まず曲が短いのがマジで良い。andymoriの『革命』ぐらい短い。焦燥ロックの幻影をいつまでも追いかけ続ける僕らにできることと言えば小山田壮平の路上ライブの動画を漁るくらいが精々な訳ですが、その陰でヤマトパンクスが何気にコツコツとセカイ系を叫び続けているのはさすがに見過ごせない。

冒頭の韻の踏み方が巧すぎて一瞬で上空まで加速できるのマジですげ~。「昨日神津神社で寝てたせいか  気がついたらもう駆け出していた」ってヤマトの半生からしか出てこないリリックだしね。ヤマトパンクス作詞作曲で青山吉能さん歌唱とかやるべきだと思うんですけど。ぼっちちゃん酒で終わって神社で寝てる概念、無いとも言い切れないのが怖いです。

 

UNISON SQUARE GARDENスペースシャトル・ララバイ』

あまりにも田淵、というか、違うな、あまりにもUNISON SQUARE GARDEN過ぎて、「もう帰らないスペースシャトル 見上げて手を振ってる僕ら」で普通に泣いてしまう。UNISON SQUARE GARDENって3ピースバンドなんですよ。いやもちろん『君の瞳に恋してない』とか『kaleido proud fiesta』みたいにブラスやストリングスが豪華な曲も大好きなんだけど、UNISON SQUARE GARDENって3ピースバンドなんだよなあ。

 

Cody・Lee(李)『おどる ひかり』

今期アニソン個人的ベスト。ダントツ。『青い栞』を彷彿とさせるような一定のビートと音数の少ない編曲がリピートしやすさにめちゃめちゃ貢献している。人間とエルフの寿命の違いの儚さにきちんと向き合いながらも徹底して穏やかな日常を届ける『江戸前エルフ』という作品のEDテーマとしてこれ以上ふさわしいものは無い。なんならOP/EDディレクションの枠で捉えてもダントツ今期一だなあ。本当に。

隅田川に降る夕陽 ビルの間の5月」って歌詞おれ好きそうすぎる。全部好きです。

 

fhána『Runaway World』

佐藤純一、もはや枯れるとか枯れないとかそういう次元に居ないんじゃないかと思ってきた。マジでモノガチガウ。これまでの楽曲で一番近いのは『わたしのための物語 ~My Uncompleted Story~』だと一応言えるとは思うんだけど、『Runaway World』はほとんど全てのパートで手癖を捨て去ってるのが決定的に新しい。詞もメロディもアレンジも史上最大に力強いのにfhánaらしい流麗さも全然失われていなくてマジで混乱する。

yuxuki wagaの楽曲も好きだったので脱退は残念だけど、今後のfhánaにも十分すぎる期待が持てるシングルでした。

 

22/7『僕は今夜、出て行く』

ナナニジの曲で一番好き。秋元康の詞はもともと好みなものが多いのだけど、『ヘビーローテーション』くらい明るすぎてもなんとなく合わないし(それでも全然好きだけど)、坂道シリーズは基本暗いし(それでも好きなのは好きだけど)。『曇り空の向こうは晴れている』ほど死生観に寄り過ぎてる訳でもない。作編曲も透き通っててめちゃめちゃ良いのでシンプルに聴きやすい良い曲です。

2年くらい前から追っていたアニメ語り系ツイッタラー2人がナナニジのオタクで、個人的に去年リリースの『曇り空の向こうは晴れている』にいたく感動したというのもあってちょっと前からかなり『22/7 計算中』を見てます。かなり面白い。『ゴッドタン』が何気に好きなので、MCが三四郎であるのも丁度いいし、堀口悠紀子デザインがずっと見れるの普通に最高だし、何より相当実験的なことをやってるはずなのにアイドルたちの姿が自然で心地いい。「萌えキャラ的なガワとそれを通して喋っている人がいて、そのどちらに注目してもいい」という価値観がVTuberによって定着するより遥か昔(2016年)から流行を先取りして始まったプロジェクトなので初期はだいぶ難航していた記憶があるけど、今は受容とようやく重なってお金が集まってきたっぽくて、現行のseason5とseason1を並行して見てると涙ぐましいものがあります。おれが注目できていなかった間に推しのひとりである河野都さん/倉岡水巴さんが卒業してしまっているの本当に悲しい。藤間桜さんと神木みかみさんも同じくらい推してるので、今はとにかくこの2人が卒業しないことを祈るのみ(最初期メンバーなので尚のこと)。。。

 

社築『ゲーム・ボーイ・アワー』

「あぁ、今⽇も 積んでいた 安ゲームの出来に
感動したりしてるんだ 君もそうだろ?」←ーーーー~~~~はい。。。。

じんってやっぱフォークなんだよなあ。だから、『ロストデイアワー』の郷愁の原風景をオフィス街に置き換えて、目一杯ハッピーな感じの編曲にして、、、、、いや、これだけだと『ゲーム・ボーイ・アワー』にはならないんだよなああああああ。じんさん本人がこの間の弾き語り配信で「大好きな人だから、ご一緒できて嬉しかった」「おれが演っても『ゲーム・ボーイ・アワー』にはならない」と言ってた通りなんだよなあ。あまりも社築という人間のうた。

それはそれとしてじんってやっぱフォークなので、アコギによる弾き語りは(『ゲーム・ボーイ・アワー』にはなってないけど)普通に最高でした。

 

長瀬有花『ほんの感想』

日常と非日常のグラデーションの理想形なんじゃないですかね、これ。。。。あともう、いよわさんの曲に人間ボーカルあてるなら長瀬有花さんだなというのが完全に確信に変わった。。。こういうのを6月30日に放り込まれると困るんですよ。。

主線無しの、色トレスのみで構成される、幻想的で有機的な色とタッチのアニメ映像を勝手に妄想しています。実際これMV作るとしたらこれまでのいよわさんの映像とは違う表現になるんじゃないかなあ。

 

ヨルシカ『斜陽』

メロディが綺麗すぎる。何から何までストイック。

 

花芽すみれ『げむげむ☆おーばー』

VTuberの配信OP(待機画面)ってだいたいチルいインストか持ち曲か持ち曲のオケか音MADなので、魔界ノりりむ『poe poe♡cosmic』や花芽すみれ『げむげむ☆おーばー』みたいにOP用のオリ曲を用意するのって非常に珍しいんですよ。OP然としている必要がある一方、配信が始まるまで繰り返し流れるのだから感情を揺さぶるような展開をつけるわけにもいかない → だからお金を掛けても単体ではウケにくい曲になってしまう。珍しい曲には珍しいなりの理由がある。

みたいな理屈を全部すっ飛ばす可愛さがあるんだよな。。。アウトロのオケとユルくユニゾンするというアイデアが特に好きです。odykによる手描きアニメも素晴らしい。

 

やなぎなぎ『ユキハルアメ』

春擬き2」を依頼され、差別化のためにサビで手癖を抜き去った結果とんでもなく良いメロディが生まれてしまった曲(全て憶測ですが・・・)。北川勝利は「2」を依頼されたら割と素直に従う印象があるので、急にどうしたんだという。流石に「春擬き2」作らされすぎたか。とにかくこんな良いメロディ滅多に無いです。

 

由崎司(CV:鬼頭明里)『Tsukasa's♪Kitchen』

鬼頭明里さんに渋谷系を歌わせる流れが確実に来ている。『Dear Doze Days』がケルト調を掛け合わせていて凄すぎたぶんこっちはよくある「普通の」渋谷系アニソンに感じてしまうけど、それでも「普通に」好きになってしまう渋谷系キッズな感覚をこれからも大切にしたいと思いました。

セリフ表現があるのはキャラソンならではという感じで良かったです。なんなら渋谷系キャラソン文化にセリフを義務付けてほしい。もったいないので。『ドラマチックマーケットライド』の落ちサビの終端とか何気にセリフ的表現な訳で、あれがあるのと無いのじゃたぶん大違いだよね、という。

 

Ado『いばら』

Vaundyって『怪獣の花唄』の後闇落ちして露悪ばかりやるようになった印象(マジで偏見)なんだけど、おれの中で再評価の流れが来ている。明るい曲は明るいってだけで良いですからね。

てか東京事変フォロワーすぎ。令和最新版東京事変フォロワー2大巨頭がTEMPLIMEとVaundyなの面白すぎるでしょ

 

一柳隊『トウメイダイアリー』

神田ジョンが今年も天才すぎる!!!佐伯さんのラインはアサルトリリィ ふるーつ2期を早くやってください。

 

健屋花那『my rule!』

今まで聴いてきた「え アタシ!?」の中で一番音圧あって声出た。

 

星街すいせい『スイちゃんのメンテナンスソング』

ササキトモコ濃度高いな~。なんかおれここ1年くらいずっと星街すいせいさんの曲推してない?気のせいかな。

 

 

以上です。

良かった音楽15選 / 23年1月-3月

今回の雑記:まおーぬいつもありがとう

最近は専ら、なんというか歯切れの悪いことに、まあ某氏のTwitter2じゃないですけど似たようなことはやっぱり考えていて、要はけっこうDiscordに逃げがちです。それぞれの人間にそれぞれの居場所2(ツー)があって、それでよくない?みたいな。ただ、これを突き詰めちゃうといよいよ本当に「社会」と同じ構造──元始、そこにはクラスがあって、その中に気の合う連中がいて、その中ですら気が付いたら分派が起きてる、無神経な人間が「除け者作り」に今日も勤しんでいる、という下らないアレになっちゃうので、居場所2(ツー)を複数確保しておくのは当然の保身として、やっぱりTwitter(無印)はあってほしいですよね、インターネットが好きなので。あるいは、もしかしたらこの感覚って二度と戻れない「教室」への憧憬なのかもしれない。後ろの黒板の落書き、静かな教室に響くPSPの操作音、ときどき入り浸る他クラスの知らない奴らの喧噪、リノリウムの手触り。なんか似てるよね、インターネットと。

青沼プロデューサーによるゼルダ新作実況、皆さん見ましたか?声質が良いので普通に実況者向いてる気がする。こんなに楽しみなゲームを作ってくれていつもありがとうございます。最近謎にマリメ熱が高まっててときどきレート潜ってるんだけど、たぶんこれゼルダ発売まで毎日やればS+行けるペースです。

 

 

星街すいせい『Newton』

「否定したい」「信じたい」「嘘だよ」「そうだよ」「嫌いじゃない」「好きじゃない」「全部が」「一つが」「変わりたい」「解りたい」「どうしたい?」「どうしよう」「聞かせない」「聞かせて」。『RED』の作曲で『Inner Arts』の編曲をやっている感じがあり、そこへ幾重にも重なりあう、どうしようもなく僕らの間を渦巻く引力と斥力。流石に2023年ベスト。

 

クリープハイプ『凛と』

「演技をしているんだ あなただってきっとそうさ」の対を行く表現だと思ってます。僕らが生来強制的に与えられる「役」への真っ直ぐな眼差し。きっと誰も望んでなんていない「役立たず棒読みの/そういう役」への強い肯定。いやほんと、敷かれたレールすら上手く歩けなくてなんならオタクであり続けることすら簡単にはいかない僕らで、世界や未来を変えるなんて役者不足もいいとこなんだけど、それでもこんな人生でも、「でも自分にしかならなくて」。「買い物帰りいつもの道 大根飛び出してる」っていうケの表現もすごく良い。坂本真綾『ユーランゴブレット』を思い出す感じ。

ちなによるMVも素晴らしい。ちな、森佳祐、土上いつきらによる4:3の速度の探求にはすごく興味があって、地味な背景美術の美しさを地で行くエネルギーがもっともっと見たい。

 

PAS TASTA『river relief ft. 崎山蒼志』

Think(about it)のサンプリングと崎山蒼志のボーカルがこんなに親和して相互に作用しちゃっていいんだっていう。電子音に塗れた、しかして有機的。

 

森久保乃々 (高橋花林)『空想フォレスト』

デレのカバー曲のセレクトが素晴らしいのは最早恒例なのだけど、流石にダントツの話題をかっさらった気がする。流石に声出た。てかそもそも音域広すぎて人間に歌える曲じゃないんですよこれ。いや言ってもメカクシティアクターズで化物が歌いこなしてるんだけど、それでもあれは「キャラの声」ではないので。高橋花林さんがただただ凄過ぎる。

 

いよわ『一千光年』

『パラレルサーチライト』と比べて僅差でこっちで。初音ミクという存在は、「わたしも v(ココロ)を もって」たり「君が生きてなくてよかった」りしてきた訳だけど、「生きていても死んでいてもどっちでもいい」というメッセージをここまで勇敢に示した曲はあっただろうか。あとやっぱり、音の洪水による多幸感ですよね。

 

syudou『笑うな!』

分かりやすくおれが大好きタイプのドストレートな人間賛歌。syudouって『うっせぇわ』と『インザバックルーム』しか知らなくて、ツユとかと同じ箱に入れて捉えてたので正直かなりびっくりしました。すりぃの編曲はベンジェンスのサンプリングが余裕で顔を出してくるのが面白いし、この入れ方で自然に馴染んでるのはマジで技術力の高さだと思う。映像面ではりゅうせーが長らく封印していたはずの尾石的テロップ表現を解禁して効果的な外連味を与えつつ、力強い画風をポップにまとめあげていて素晴らしい。

 

DIALOGUE+『かすかでたしか』

個人的に春付近の田淵はかなり調子が良い法則があると思ってて、言うまでもなくコーラスワークと歌詞の熱量が尋常じゃないですよね。極め付けにアウトロの学校チャイムのモチーフ!!!広川恵一の底力も本当にバグってて、有り得ない大団円感を生み出している!!とマジで唸った。MVのテロップ表現もめちゃめちゃかっこいい。

 

Photon Maiden『4 many colors』

おぐらあすか実はやってるシリーズ。フォトンのみんなって実はこんなに可愛くて、アニメ1期でD4DJにハマってグルミクやり始めたらあんなにクールに見えたノアちゃんが限界オタクキャラでびっくりした記憶がよみがえります。2期では最初からもうがっつりオフの可愛い様子が描かれまくっていて最高~~と思いきやこの『4 many colors』が披露されるエピソードでは遂に事務所の方針と対立。1期で見た構図だ......と思いつつ、佐藤日向さん演じる福島ノアちゃんがゲーテの名言を引用して泥臭く抗う様にどうしても星見純那ちゃんの影を感じてしまって少し泣く。岩田陽葵さん演じる花巻乙和ちゃんパートで編曲ががらっと変わるのも、なんというか非常にらしくて良いです。

 

鬼頭明里『Dear Doze Days』

ケルト渋谷系という非常に珍しい一曲。それでいて、もうこの路線でこの曲を超えるのは無理だろうなと思わせてくるくらいの圧倒的な完成度。"こうできたであろう"一曲にモンハンダブルクロスの『トラベルナ』がありますが、やっぱりよくある渋谷系の域を出ていないので。いや、『トラベルナ』って凄く良い曲なんだけどね、『Dear Doze Days』は矢鴇つかさの成し遂げた偉業のひとつになったんじゃないかなと思うんですよ。

 

さくらみこ x 兎田ぺこら『モッシュレース』

 

名取さな『アマカミサマ(kamome sano Remix)』

色々な意味で相当なプレッシャーのある仕事だったと思うが......ただただkamome sano、名取さなありがとうと言うほかない。愛しかないremix。

 

なみぐる feat.ずんだもん『ずんだパーリナイ』

なみぐるについては以前も書いたけど感性が瑞々しくて良い。ジャンルごちゃ混ぜはなんぼやってもいいとされていますからね。

 

Ado『アタシは問題作』

映像作家のえいりな刃物さんの話をさせてください。ていうかすっかりピノキオピーの映像担当としてメインの立ち位置ですよね。それでいてエジエレキともすす泥棒ともYuma Saitoとも違う作家性を持ち合わせている。強いて言えば『たりないかぼちゃ』の映像表現はえいりなに結構属性が近かったかもだけど、あの時は揉めて色々大変だったみたいで。ニコ生で言ってたけど。あ、で、えいりなって今溢れかえってる個人映像作家の中ではかなり「演出」に目を向ける方だよな、ということを言いたくて。たぶんアート畑の人なんでアニメ塗りの一枚絵の強度は結構苦手としていて、だから『ぺこらんだむぶれいん!』のディレクションは明確にミスなんですけど、逆に言えばアニメMVの主戦場である「なんかエモくてカロリー高いカットを繋いでいく」手法じゃない部分で戦おうとする意志がある。はっきり言うと個人作家のアニメMV文化って去年後半くらいからぐんぐん士気が下がってるので(アニメ作る側の労力が凄まじい割に全然リターンが無いことにようやくみんな気付き始めてるので)、近いうちに大半がボカロMVメインストリームに戻っていくと思います。そういう時に生き残れるのが作画だけじゃなくて演出もできる人です。

あー、あとあれだ、「一回お茶飲め」のとこってたぶんピノキオピーの監督修みたいなの入ってるよね。

 

Nor『RE Aoharu』

4th PVってブルアカ映像化のダントツ最高到達地点な気がしてます。『かってに改蔵』のBlu-rayのブックレットで龍輪直征が「止めのカットだけでアクションアニメを作れる気がする」みたいなことを言ってて、そんなのできるのー?って思ってたんだけど4th PVはできちゃってるかも。

 

えなこ feat. P丸様。『アイデン貞貞メルトダウン

アニメの表現に対して色々と思うところはあるけど、流石に良い曲だったので。やしきんとおぐらあすかっていうチョイスが、なんていうか10年代中期の亡霊をずっと追いかけてる感じがして良いですよね(これは比較的良い意味で言ってます)。

 

以上

ブルアカには聖園ミカより重い子がたくさんいた

卯月コウが好きで、東山奈央が好きで、ミカ実装からブルアカを始めて1か月半経って、メインストーリーを読み終えた。

noteの方でちょっと真面目な感想を書いてしまったので、オタク君🤓の戯言でも書こうかな。シナリオライター戯言シリーズの影響強く受けてるらしいし。いやこれ、マジで言ってんだけど。

しかし本当良かったな。やはり連邦生徒会長の言う通りというか。大事なのはシロコ(*テラー)が執着するような経験の多さではなく、プレナパテスが世界軸を越えてまで信じた先生(大人)としての選択。生徒たち(子供たち)を導いていく迷いの無い選択。選択肢が分岐としての意味を担っていない分、尚のこと迷いなく、自信を持って。

あのね、おれの涙点って「現代日本の青春群像劇」にしか反応しないようにできているはずなんですけど、だからゲームで泣いちゃうのって1年に1回あるかないかで、20年-21年は『OMORI』で、22は『CROSS†CHANNEL』で、23が『ブルーアーカイブ』になるなんて思ってもみなかったよ。手を差し伸べないでくれよ、なあ、おれみたいなのにさあ、手をさあ、差し伸べないでくれよ;;

 

 

重さTier0

月雪ミヤコ

RABBIT小隊は比較的(あくまで比較的)先生にガチ恋はしてないというか、最初は疑ってたけど実は頼れる大人くらいの感じで親しみを持って接してくれる印象があるんだが、こいつはガチでやばい。一人だけ受け答えに露骨すぎる含みがある。それでいてまだメインストーリーでの影は薄いので、ミカたちの影に隠れて卑しかポジションからおれを狙っていると推測される。

 

聖園ミカ

ツイッターで散々重い女扱いされていて、いやいやまあ言うてでしょ?と思っていたら流石にガチで重かった。東山奈央だし。曇らせたいランキング堂々の1位。メモロビの透き通り具合5位。まあでも、ミカがこんなになっちゃったのはトリニティのくだらん伝統のせいというのはめちゃめちゃあるので、ナギちゃんとセイアちゃんと幸せに過ごしててほしいランキング1位。

 

 

重さTier1

才羽ミドリ

今後の展開次第ではTier0への昇格も有り得る逸材。秋葉原コラボでもその「隠れた重さ」を遺憾なく発揮。モモイは華麗にスルーしていたがもちろんおれは気付いている。

 

小鈎ハレ

ハッキングにしか興味ありませんよ~みたいな顔しといてこっそり絆ランクアップのボイスでかなり積極的に仕掛けてくる。卑しい。低レアリティで二次創作もあまり出回ってないので、実際にブルアカを始めて「おれだけがハレの可愛さに気付いているんだ......!🤓」となっているギャップ萌えオタク君が多数いるらしい。ただ、ハレからの矢印が向いているのは残念ながら皆さんではなく、おれだけである。。。

 

早瀬ユウカ

3周半まわってなんだかんだ重い。ソースはツイッターだが体重が100kgあるらしい。生塩ノアがおれに向けている風な矢印は実はユウカに向いてるんじゃないかと思って最近ドキドキしている。

 

 

重さTier2

蒼森ミネ

ネタキャラみたいな扱いだしメモロビもあまり重くないので見逃されがちだが、モモトークにおける返信のひとつひとつに「重さ」が垣間見える。実際のところミネのことを理解してあげられるのはおれしかいないので、おれが「救護る」しかない。

 

静山マシロ

鬼頭明里だからけっこう重いと思う。

 

赤司ジュンコ

ジュンコはまだ幼いので重いとか重くないとかの概念を持っていないが、きっとそのうち自身の秘めたる重さに苦しむことになると思う。もう、絆ストーリーが笑っちゃうくらいおれにべったべた。えぐい。起動時のメモロビに設定したいランキング2位。

 

間宵シグレ

飄々としているが、こいつはたぶんおれがいないとふっと消えてしまう厭世感も持ち合わせている。声がその両方の性質を極めてクリティカルに表現していて本当に良い。227号特別クラス所属というのもあって周りに理解者が極端に少ないので、バトル勝利ボイスですら先生にかまってかまってほしい感がすごい。曇らせたいランキング惜しくも2位。

 

若葉ヒナタ

寝汗がすごい。

 

 

飽きた。レイサ実装、和ゴスハルカ実装、セイアちゃん実装、モモカ実装待ってます。おれはレイサが一番好きでブルアカ始めたし、モモカは井口の声が良すぎてその可愛さが「発見」され始めているので。

 

モッシュレースとキルミーMAD

さくらみこ x 兎田ぺこら『モッシュレース』のMVが流石に間違いなく2023ベスト確定......言ってもこのノリはネタでやってる側面も強いのだけれど、流石にこれに関してはなんならここ数年見たMVの中でダントツ一番なので...........要領を得ない散文でも感想を記録しておく ホロライブありがとう、DECO*27ありがとう、全ての音MAD文化にありがとう、全てのYTPMV文化にありがとう、そして『Please kill my love』にありがとう 極論それが全てです

 

モ の色々①|odayaka|pixivFANBOX

モ - 藻塩

SUNNY CAR WASH - キルミー (Official Music Video) - YouTube

 

「おだやかが監督やったんだ」がファーストインプレッション。去年11月に監督宝井・キャラデおだやかでバンドリの派生企画のMVをやってて、まあそれが結構好きだったのもあって、割と普通に似た映像を期待した。座組も似たようなもんだろうと思っていたので。

【MV】影色舞 / MyGO!!!!!【オリジナル楽曲】 - YouTube

ただし↑のMVはおだやかの絵が出過ぎてる。俺はこかむもの絵がめちゃめちゃ好きで、そのフォロワーであるおだやかの絵も好きなので楽しめたけど、正直なところブシロードのオタクにこれがちゃんと刺さってるのかは今でも分からない。

 

そんな感じで見始めた。開始10秒で絵柄が2回変わった。これもしかしたら異常な作品かも知れない

はまち絵(推測)がぐりぐり動く。

 

と思ったら静止画になって左右反転を繰り返し始める。マジか。ナユタン星人の表現じゃん。

 

・・・・・・はぁ!?

大量のループ素材、絵柄の不統一性、文脈の無さ。こんなの音MADじゃん。YTPMVじゃん。マジで?え、マジで??

 

 

うわーマジだ。マジでこれでいっちゃうんだこのMV。

いや、だって、監督・おだやかのブログにも書いてありますが、(少なくともメジャーシーンで)音MAD/YTPMVの手法でMVを作りきっちゃうなんて前例がないんですよ。「インターネットの手法で作り切る」という意味では『日本橋高架下R計画』(2012)がTumblrの発想で完全な解を示してしまっていて、その後同じ発想で作られた『ワールド・コーリング』は案外普通のMVの域を出なかった。さらにその後別の発想でインターネットの手法を試すMVとなるとついぞ現れなかった。はずだった

しかもこれさあ、この感じはさあ、『キルミニッツ』じゃん。『Please kill my love』じゃん。やっぱり創作系音MADとエンタメの合流地点ってキルミーベイベーなんだなあと。

www.nicovideo.jp

『Please kill my love』は......今は名義を変えてイラストレーターとして活躍しているなで肩本人が動画を消してしまったので無断転載を参照されたい。もともとグレーな文化だし。まあ俺はもちろんとっくの昔にローカル保存してあるが.................

 

 

サビは商業アニメーター(左が富岡海任、右は宝井(推測))による動きの大きい作画でしっかりと画面を締めるのもすごく良い。これは本作の音MAD部分の最大の立役者と言える聖なるバリア -ミラーフォース-の表現が強く影響してると思う。

インドア系ならマキシマイザー - ニコニコ動画

聖バリの代表作である『インドア系ならマキシマイザー』は渡辺明夫デザイン(推測)の謎アニメ(『パチスロ1000ちゃん』)が『インドア系ならトラックメイカー』と『マーシャル・マキシマイザー』のいずれの文脈も無視して主張しているからひとつの動画としてすごくすわりがいい。

 

ドロップの表現も良い。これは音MAD直系ではないがその亜流であるころんばおよびそのフォロワー(「界隈曲」という呼称を使うのは簡単だが使いたくない!)の影響を感じる。

dic.nicovideo.jp

 

 

そしてまるで定番のフォーマットがあったかのように音MAD/YTPMV文化を参照しながら恐ろしいクオリティと面白さでこのMVはぐいぐい進行していくのだが、監督のおだやか自身が編集を担当した間奏パートで奇跡が起きる。

ここは明らかにR.M.による名作キルミーMAD『キルミー』を参照しており、奥のレイヤーで中心~右に並ぶ7つのハニカム内のイラストをカヅホが担当した。こんなことある???????

キルミー - ニコニコ動画

今回ばかりは流石に言っていいんじゃないですかね、あの合言葉を、「実質キルミー2期」を...............................

 

そして極め付けに、「これが音MAD/YTPMV文化だ!!!!!!!!」と言わんばかりに静止画の兎田ぺこらが回転しながらぶっ飛んでいく。この思い切りの良さと胆力ははっきり言ってめちゃめちゃやばい。日本橋高架下R計画』で打ち止めだったはずのインターネット的MV表現が10年以上経った今ではあるけど確実に、確実に前進した感覚があって、逆光表現のエモさも相まって思わず泣きました。

こういう全編に渡るカオスさが兎田ぺこら/さくらみこの配信スタイルと非常に相性が良いのは言うまでもなく。全ての要素がかっちり親和した最高のMV。。。

 

この方向性に再現性があるかと言うと、そうじゃないかも知れない。おだやかやこかむものブログを読めば分かるように、短期間の異常な熱量で達成されたという側面は絶対ある。TVアニメで言うと『ローリング☆ガールズ』とか、そういう作品って絶対にある。だけど『モッシュレース』によってアニメMV表現は確実に前進したし、そのルーツにキルミーMADがあるという事実がただただ感慨深い。

そんな感じ!

 

2022年の良かった音楽, アニメ, MADなど

ひだまりスケッチ×ハニカム』#12「ゆく年くる年」をご覧の皆さん、いや、あるいは..........結束バンド『転がる岩、君に朝が降る』をお聴きの皆さんこんばんは。ずっと、ずーっとあの日から鳴り止まないんだよ、遠くで、近くで、すぐ傍で。

超今更ですがこのブログのアドレス、というかIDの「umihanakuro」の元ネタを明かします。きのこ帝国の『海と花束』と『クロノスタシス』です。そんだけです。佐藤の顔が抜群に良いことがバレてしまう前の...シューゲイザー/オルタナと邦ロックの融合に邁進していた頃の...陰キャ音楽の頂点だったあの頃のきのこ帝国.......ぼっちちゃんきのこ帝国聴いてた概念を僕は支持しますが、ところで皆さんは音楽聴いてますか?

僕はぶいすぽの白波らむねさんがかなり"推し"になってきてます。困ったね。最近専らVでも若い子ばっかり見てて、たぶんこれは「死ぬまでずっと少年少女のままの感性を持っていたい」という意思から発現するものである気がします。その頂点が卯月コウであることは言うまでもなく。だから結局、新しい音楽を聴き続けるし新しいアニメを見続ける。まあそういう一年でした。

あと、山田尚子萌え袖男子コレクションが増えた年でもある。そういうことにしといてください。

 

 

良かった音楽: 15選+45選 / 22年10月-12月+(1月-9月)

Toby Fox & 糸奇はな『Skies Forever Blue

「Feelings flowing out across the screen /until the bat'try runs dry」。ゲーム文化への究極的な憧憬がここに詰まってる。。。

UNDERTALEのファンたちによるトリビュートアルバムで見事な歌唱力をみせた糸奇はなが遂に本人とコラボを果たして、映像もOMOCATが作って、架空のゲームをコンセプトに制作されたストーリー調のバラードとして今後これ以上のものが出てくるのだろうか......。物語音楽としての編曲のコントロールが本当に見事。ブラスが最高。

 

博衣こより『乙女よ求めよQ.E.D.

こよの努力の結晶を讃えるかのような、圧倒的なパワーチューン。博衣こよりという存在の「ホロライブらしさ」はかなり飛び抜けてると思ってて、曇りやすい性格をしているのに決して諦めない。逃げない。希求し続ける。そういう姿勢をこんな曲、こんな形で提示されたら、泣いてしまうじゃないですか。

星街すいせい『ソワレ』を聴いてない不調法者なオタクは居ないと思いますが、ナナホシ管弦楽団の活躍がずっとやばすきる。人気ポップスの最先端を走りながら『デリヘル呼んだら君が来た』の頃の色から全然ブレてないのも凄くて。折に触れてMr.FanTanstiCのライブでのセルフカバーを聴きたくなってしまう程に。

 

結束バンド『なにが悪い』

KANA-BOON→tricot→ときて次はどのロキノン系だ!?って予想大会は全ロキノン厨(死語)がやったと思います。答えはthe peggiesで、今年9月からの無期限活動休止を憂うファンにとって全く思い掛けない最高のサプライズだったことは言うまでもなく、そして等身大の伊地知虹夏の叫びでした。

ハイコンテクストかもですが、神聖かまってちゃん『ロックンロールは鳴り止まないっ』と集団行動『鳴り止まない』の文脈は確実に踏んでいるはずです。でないとイントロの唐突な「鳴り止まなくて何が悪い」という歌詞に説明がつかない。皆んなは知らないあのバンドの曲、君にだけ聴かせたいんだよ。

 

パスピエ『発色』

ああ、この人たちはどれだけマイナーな方向へ邁進していても、いつだって一番人気だった時期のポップロックに帰ってこれてしまうんだなあという。音源チェックが少し遅れていて長谷川白紙とのツーマン『印象F』で初めて聴いたんだけどあまりにも衝撃的だった。で、結局この路線が一番ぶっ刺さってしまう自分に多少の悔しさもあり。最高。

あ、『印象F』の話します?まあ聞かれなくてもあの音楽体験は一生擦りますが...

 

遊佐こずえ&双葉あんず『まほうのまくら』

山本真央樹ベストワークス入り確定。最近ミュージカル調の曲が多い。

 

UNISON SQUARE GARDEN『放課後マリアージュ

悪いオタク風に言うと"これもう実質Q&Aリサイタルの続きだろ"。最近悪いオタクの言い回しにハマってます。

この笑っちゃうくらいの"B面にしておくには勿体ない"感は最早ユニゾン恒例。B面だけでライブやるくらいだし...(最高)。田淵のキャッチーさが爆発してる。配信しないことは名言されてるので、シングル買うなり借りるなりして聴いてください。

 

なみぐる feat.ずんだもん・初音ミク『ウニクラゲ』

シンプルに感性が若々しくて良い!まず間違いなく一番影響を受けてるのはナユタン星人なんだろうけど、そこから更に最近流行りの4つ打ち高速ダンスポップに寄せてて、動画の作りと歌詞からはころんば成分も感じ取れる。ニコニコ動画の色んなミームやレトロゲーの効果音で情報量盛り盛りなのも「やりたいことやってる感」があってとても良い。ころんばリスペクトの最低条件として「作品外での示唆の一切を我慢する」というのがあると思ってて、そこをきちんとクリアしてくれているのもありがたい。

インディーシーンで今年一番好きだったのはこれかな、と思います。

 

潟女DIY部!!『どきどきアイデアをよろしく!』

アンサンブルであり、エレクトロニカであり、R&Bであり、そして完璧なキャラソンであり...soundcloud時代のy0c1eの色がよく出てる。新井陽次郎によるOP演出も見事な温かさというほかなく、新井陽次郎の絵柄が松尾祐輔のデザインを貫通して表面に出ている辺りも松尾祐輔らしくて面白い。

2番サビの歌詞がいつ聴いても星野源すぎて笑ってしまう。

 

美波, 大橋ちっぽけ『水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal meets Yuri on ICE』

『水星』と『今夜はブギー・バック』には時代性を超越して通じ合うものがあるのは自明として(それでもこの2曲を全くマッシュアップできた時点でもの凄いのですが)、ここにYuri on ICEを加えるという発想が/加えることができた技術力が、ちょっと想像の埒外すぎる。「見えにくい部分で技術と発想がぶっ飛んでる」音楽は数多くあれど、本作はかなり珍しい事例なんじゃないだろうか。

あと、フルサイズのラストは必聴。水星をこんなにドラマチックにしていいんだっていう。

柳沢翔ディレクションした映像も素晴らしい。

 

葉月恋『迷宮讃歌』

葉月恋さん、俺たち結婚しよう。

 

マキシマム ザ ホルモン『刃渡り2億センチ』

ホルモンのアニメタイアップって、毎回完全にホルモンなのに完全にその作品を捉えてるのマジでなんなんだ。「身体にほらエンジン」と「刃渡り2億センチ」の韻の踏み方が気持ち良すぎる。

 

姫森ルーナ『ぐるぐる@まわる@まわルーナ』

なるほど、マジか、んなたんの声質を最大限活かせるのって立秋さんだったのか!!という「やられた感」は今年随一だったかなと。例えば船長とToby Foxとか団長と渡辺翔とかって全然想定の範囲内の相性だったんだけどルーナはどうしても分からなくて、オリ曲2つ目がきたら見えてくるのかなあと思ってたらいきなり「正解」が来た。分かります?この衝撃

割合ポップスから離れたインプットからのアプローチでありながらもついつい口ずさんでしまうキャッチーさが流石としか言いようがない。音ゲーでやりたいのでグルミクかオンゲキお願いします。

 

上田麗奈『履き慣れてない靴のままで』

発売が間に合った例。何も無ければ『いちごいちえCelebration』『サイキョウチックポルカ』とこれはかなりベストワークス案件候補だよなという話を掘り下げたかったんだけどこの辺で。上田麗奈の声はずっと良すぎる。

 

シユイ『君よ 気高くあれ』

ryoらしさ全開。Bメロからサビにかけて勇敢な長調へ移行していくのが水星の魔女らしくて良い。

 

BUMP OF CHICKEN『SOUVENIR』

何千回でも言うけど、これはBUMP史上最大のスルメ曲です。

カラオケで歌おうとするとBメロから突然藤くんになれることが発覚。Aメロの息の抜き方むずすぎ。

 

前前回(22年1-3月)の15選↓

前回(22年4月-6月)の15選↓

前回(22年7月-9月)の15選↓

しかしこう改めて60選振り返ると随分アニソン文脈に偏って聴くようになってしまったなあ。まあ意識的にこうした訳ではないし暫くはこれでいいか。

 

 

良かったニコニコ動画の動画5選

こかむも『キーボードVSポケモンVSザクトロニクスVSひまり』

『ぬるめた』などで知られる漫画家・こかむもが"テスト期間にメッチャ掃除するみたいなノリで仕事やばい時にわけわからん動画めっちゃ作ってしまった"動画群があって、12/22から12/23にかけて合計10本投稿されている。実際来月発売の単行本作業もあるというのに(良い意味で)頭がおかしい。

タイトルだけ見ていくと冥鳴ひまりによるVOICEVOX実況のようだが、実際のところゲーム実況をする場面は全くと言っていいほど無い。ずんだもんと春日部つむぎを交えた不条理ギャグ会話がひたすら展開される完全なるこかむもワールド。

 

ガッkoya『いつもの二人でゆっくり解説』

琴葉茜と琴葉葵を用いた「あと99秒で爆発する妹のために実況シリーズ」などで知られるガッkoyaによるゆっくり茶番劇だが、最早言うまでもなくサムネを見た時点でまともなゆっくり茶番劇でないのは明白である。あたかも最初からこうだったかのように、ちいかわとハチワレが霊夢魔理沙(「いつもの二人」)のポジションを奪って不条理ギャグを繰り広げる。しかもこのちいかわとハチワレは"ちいかわとハチワレの形をした何か"であり、「~~かわ!?」という原作に無い語尾が多用される。それでいてなんか全然普通に話の内容も面白くて、『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』をかつてない視点から論じている。なんだこれ。

 

IZ『童貞に振り回された夜の話』

琴葉茜が一人で淡々と漫談を繰り出すだけであり背景とキャラ絵1枚ずつにテロップのみという非常にシンプルな動画構成ではあるが、VOICEROIDの更なる可能性を感じさせる一作。間の取り方、謎に見事な伏線回収、タイトルからは予想もつかないようなオチ。IZはかなりのペースでこのタイプの動画を制作しているが、これが一番面白かった。

 

メカP『あるあるストロメリア』

RGの「あるある言いたい」ネタって、散々引っ張ってオチが「ある.......かぁ?笑 いやまあ、ある、うーん」くらいの微妙にモヤモヤするところに着地するというのが面白さの核だと思ってて、甜花ちゃんの約束が休みに偏ってるというのはシャニP全員にとっての完全な「あるある」なのでそこが勿体なかった。人力で歌わせてる技術は凄まじいしラストまでの歌詞の入れ方は非常に本家っぽくて良い。あと動画の作りがめちゃめちゃ丁寧。

 

ますとも『すん・・・』

わたてんMAD。今年見たアニメMADの中で一番良かった。

 

良かったアニメ: TVシリーズ10選+映画5選+CM, MVなど10選

『明日ちゃんのセーラー服』

現代日本を舞台にこれだけ暖かくて煌いてる作品ってそうそう作れるものではないと思う。本当に大好きです。アバンから完全に新房シャフト演出だった八瀬コンテ回にはシャフトオタクもニッコリ。みんな好きだけど、やっぱ蛇森生静と戸鹿野舞衣の同室コンビ、かなぁ...。「え、Fコード!......」「へぇ~......。で?笑」の辺りの心の通じ合ったやり取りが、本当に。。。

 

『ぼっち・ざ・ろっく!』

出来れば世界を僕は塗り替えたい。戦争をなくすような大逸れたことじゃない。だけどちょっと、それもあるよな。俳優や映画スターにはなれない。それどころか君の前でさえも上手に笑えない。

3Dガイドが前面に出過ぎているライブシーンにはずっとピンと来てなくて、このごろの僕は弱いから、自販機前のシーンや江ノ島回ばかり繰り返し見ていて、でも最終回でぼっちちゃんが客席にダイブした瞬間、思わず涙と笑いが綯い交ぜになって決壊してぐしゃぐしゃになってしまった。『転がる岩、君に朝が降る』のギターリフが聴こえ始めて思わず唸った。ラストシーン、何も変わらず簡単そうに回る世界の中に佇む少し変われたぼっちちゃんの呟きに、また少し泣いた。

けろりらの今年の仕事量は間違いなく伝説級。ずっと、ずーっとキャラデやってほしいと願っていたので、大躍進して本当に嬉しかった。

 

ヤマノススメ Next Summit』

「誰かにとってのヒーロー」という概念に俺は弱いんだなあとつくづく思った。スマイルにとってのペコがそうであるように、虹夏にとってのぼっちがそうであるように、やっぱりあおいにとってひなたはヒーローだったよ。思えばNS#2新規パートの体育祭描写でも明らかにその構図が強調されていたし、最終話の山小屋での寄り添い方を見てると、ああ、3期で曇ってたヒーローが完全に帰ってきたんだなって泣けてしまう。

まさかヤマノススメDIYが両方こんなに凄まじい演出・原画に恵まれるとは思ってなかったです。まあどうやら作業時期が全然違ったみたいだけど。とは言え本当にありがとう。。。

 

『まちカドまぞく 2丁目』

全然気付かないうちに伊藤彩沙の声が完全に好きになっていたんだよなあ。伊藤いづもって三上小又くらい日本語を自由自在に操るので、原作の台詞をシャミ子たちが喋ってるだけでもめちゃめちゃ面白いんだけど、やっぱアニメ表現に落とし込む上でのデフォルメと編集が非常に優れてるシリーズだと思う。作画面でも吉田亘良が描く変身パート以外は上手いこと省力でやってて安心して見れる。

 

『かぎなど シーズン2』

ユイの「ひなっち先輩」呼びがアニメで聴けて感涙(キャラコメンタリーのみで登場のはず)。あゆと名雪Last regretsは絶対に音源化してほしい。負けヒロイン団、絶対に定着して海産同盟と同じくらいの地位を築いてほしい。

 

『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』

自分に手の届く範囲で、あるいは自分と仲間の手の届く範囲で何かを作ってみる喜び、というプリミティブだけど避けられがちな感覚への眼差し。DIY部に不器用じゃない子なんて一人もいなくて、あの部活こそがツギハギで作ったツリーハウスそのもので。つまるところ「居場所だってDo It Yourself!」なんだよな。要は対象が「形あるもの」である必要なんてどこにもなくて、一日一日を傷凹み込みで楽しく過ごしていこう、っていうメッセージがすごく響いたアニメでした。

水着回でたくみんがスカートたくしあげるカットは正直今期イチ繰り出してました。

ところで原案のIMAGO=磯光雄説の答え合わせはいつになるんだろうか。冬コミアニメスタイルから頒布予定だった「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」がそれに該当すると睨んでいるんだが......いやもう未確定情報で語りたくない気持ちが最近強いから黙ってたけど正直1話でクラゲさん出てきた時点で「えーこれ磯じゃん」って思ったよ。そしたらIMAGOとか書いてあるし。プロデューサー追ってみたらコイルの頃からずっと磯と組んでるし。確度を高めるために非アニメーター・演出家まで追う癖がいつの間にかついてきたなあ。

 

『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』

ブレはあったけど、ここまで好きなアニメは本当に久しぶりだった。

とにかくキャラが元気で個性的で可愛い。いくらブシロード作品と言えどいっぺんに出てくるキャラが多すぎて正直最初はなんじゃこりゃと思ってたが、最終的にはタカコ荘の全員が可愛くてたまらなかった。今岡律之フォロワーっぽいユルい絵柄がかなり良い方向に作用したように思える。バキバキに全カット作画良くなくても成り立つアニメは気疲れしなくて良い。

脚本も実はかなり優れていて、9話と12話はなんか普通に感動してしまった。完全にバカアニメの枠であるのは間違いないのだが群像劇を描くのが本当に上手く、今週もはちゃめちゃに始まったなあと思いきやBパートが終わる頃にはなんだか綺麗に丸めこまれているという感触。メイン15人もいるのに登場頻度の差もあまり感じなかった。アイカツやプリパラの構造に近い。ニコニコ動画との親和性が高い。

そしてそれらを支えるのがTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによる劇伴。普段の彼らのアニソンから想像されるような路線ではなくとも、どの場面に対しても極めて適切な音楽が挿入される。個人的に、インディーのアニメを見ていて商業と一番差を感じるのは音。

割と伊藤彩沙目当てで見始めたみたいな部分はあったが、他の声優陣もとても上手くハマっていたと思う。例えば小山百代は得体の知れない年上っぽい役が一番はまるんじゃないかなと予てから思っていて、ちほりはまさにそんな感じ。ヤングワイワイとシンリャクシャが本当に好き。

 

『Engage Kiss』

シリーズ構成の丸戸史明が「過程はどうあれ"こういうのでいいんだよ"的エンディングを目指した」と言っていて、実際最終話の"こういうのでいいんだよ"感はズバ抜けているし「未解決で大団円」というサブタイトルも秀逸。アニメアニメしているアニメでとても良かった。

シリアス部分のスケール感がもっと大きければもっと好みだったなと思った。禁書ほどとまでは言わないけどCharlotteぐらいはあってほしかった。リコリコにリソースが割かれていたのだとは思うけど、バトルやるならやるでやらない回が別に多くてもいいのでは...?とは思ったがここぞというアクションでは加藤滉介や有原慧悟が活躍していて良い作画が見れた...というのも確かではあり複雑な感じ。サブキャラのデザインがやたら地味なのも勿体なかったかも。

とはいえやはりメインキャラ達のビジュアルとキャラ立ちの良さが凄かった。例えばリコリコとかグリッドマンみたいなデザイン的新しさは全然無いし私服パターンもマジで全然用意されてないんだけどつなこの絵と声優陣の演技がとにかく魅力的("こういうのでいいんだよ"が追求されてる感じ)。斉藤壮馬はもうベテランの部類に入るだろうから文句無しで最高なのは言うまでもないとして、会沢紗弥を初めてきちんと認識した。。。ルックスも喋りも演技も全てが良すぎる。。。

 

『咲う アルスノトリア すんっ!』

久野美咲富田美憂、花井美春らがロリキャラを名演。特に小アルベールは富田美憂が演じてきたキャラの中で一番好きかも知れない(秋葉原でやってた展示行ってアクスタ買った)。所謂お姉さん組もいてバランスが取れており、ひたすら可愛くて見やすかった。ピカトリクス役の幸村恵里はシャニマスの冬優子でしか存じ上げなかったけどこれも上手くハマっていた。

ソシャゲ原作の日常系アニメで、毎話数分挟まる敵視点がだんだん不穏さを増して最終話にはいよいよ主人公たちの朗らかな日常を脅かすのかと思いきや結局入れ違い?で何事もなく終わる。ソシャゲの方では普通に敵として出てくるんだろうけど、アニメとしては日常を壊さないことに徹底していたのが良かった。

日常系でしかも現代日本ではないとなるとどうにも話数の区切りが曖昧というか話数ごとの特色が出にくい傾向がある気がしてるのだが、このアニメはサブキャラや舞台をかなり上手く使ってた印象。シリーズ構成・脚本が正統派に優れてるなあと感じた。

ちょくちょく瞬間的なテロップが挟まる辺りに龍輪演出を感じた。どうやらシャフトを離れてからは岩崎安利とコンビで動いてるらしく、そういえばさよなら絶望放送を聞く感じだと当時からかなり仲が良さそうだよなと思ったり。

 

サイバーパンク エッジランナーズ

同意、今石は神。

 

『すずめの戸締まり』

評価が非常に難しい作品。とは言え難しいという言葉で簡単に片づけたくもない。ひとつ確実に言えるのは、今年のアニメ映画で一番好きだったということ。

まず、家庭問題や震災といった特にテン年代以降非常にセンシティブとされるモチーフをあまり丁寧に扱わなかったという事実は決して看過できない。鑑賞者の半生に大きく左右される要素でもあり、細田守の『竜とそばかすの姫』では家庭内暴力が舞台装置としてあまりにも粗雑に処理されたことにより、それ以外の良い部分に全く目を向けられなくなった人も少なくなかった。新海誠は同じ映画監督としてこの反省を踏まえながら本作に臨んだはずだが、それでもまだ現代人が扱うには重すぎる/解決していなさすぎる問題なのだと思う。震災文学的な側面に最大限慎重にアプローチした『傷物語』でなんとか、という具合。

次に、わざわざ露骨にセカイ系の定型から外した結果やはり着地点がどっちらけになってしまったのは(震災文学云々を抜きにしても)確実に教訓ではあるように思う。定型に当てはめることを嫌う人もいるかも知れないが、実際のところ「君」を救うか「世界」を救うかという究極の二者択一まで来たのならかけがえのないどちらかを犠牲にしないとドラマチックな物語はうまく着地しないのは数々の作品が証明してきた。だから浅羽はイリヤを救えなかったし、帆高は世界を救えなかった。手を伸ばしても届かないものを希求してきた。

しかし、『天気の子』まででいずれも希求しきったからこそ、「君」も「世界」も救うという究極の希求ができたのだとも思う。鈴芽が愛の力による生物⇔要石の可逆性に全てを賭けたからこそ、「世界」を救った代わりに「草太」を救えなかった物語に続きが生まれた。宮崎から東京までで終わるはずだった軽快なロードムービーに続きが生まれた。そして東京以北の足を担うのは芹澤という"""癖(へき)"""の塊みたいな最強のキャラクター。芹澤の軽薄さと不器用さと不思議な包容力が、ロードームービーとしての面白さを更にぐんぐん押し上げていく。初日に観たとき、ただただ圧倒された。芹澤の足が最後まで保たないのも芹澤らしい。ロードムービーの最後の足を担うのは環さんが漕ぐ自転車であり、鈴芽への愛。自転車に始まり自転車に終わる、壮大で素朴な旅路。12年ぶりの里帰りも兼ねて。俺がこれを良いと感じない訳がなかった。ついでに言うならば3週目特典の小説『環さんのものがたり』では、東京に辿り着くまでの環さん視点の旅路がモノローグ主体で描かれる。このアイデアが本当に良くて、本作の「旅」の解像度をより高くするものだった。

疑問はいくつも残る。草太を要石から人間に戻せることについて何故そこまで妄信的になれたのかとか、鈴芽の恋愛感情の動機とか。ただまあ、もともと新海誠はその辺りを仔細に描くことをせず、「なったものはなったもの」として鑑賞者に多くを委ねる。俺はそれでいいと思う。「恋愛」「震災後の成長」「ロードムービー」の3本の軸がきちんと交わった終着点は迎えてないのはやはり課題だと思うが、その辺りは次回作に期待したい。というか、今後の展望を充分に期待できる型破りな作品で今年一番好きだった、というのを取り敢えずの総評としたい。

 

『四畳半タイムマシンブルース』

原作(サマータイムマシンブルース)のトリックやキャラの役割をほぼ崩さず四畳半神話大系のメンバーで再演した感じ。後味は少し違うけど。ただでさえ面白い原作がアニメならではのコミカルで見やすい映像になってるので、実写映画が肌に合わないって層に刺さると嬉しい。

本作の明石さんは結構快活で服もがっつりオシャレで可愛いが、『四畳半神話大系』の明石さんと比べてどっちが良いかというのは派閥が分かれそうではある。

 

『地球外少年少女』

近未来技術へのワクワク感とクソガキ感描かせたらやっぱ磯だなあと。井上俊之の活躍もすごかった。みなみなミーナはもっと流行ってよかったと思うし、赤崎千夏はすごい。

制作の都合上、企画段階にあった重要な描写を大きく削る必要があったらしく、結果として終盤のインパクトが薄かったのが勿体なかった。『電脳コイル』は最終話の最後の最後まで印象的なシーンが詰まってて、リアタイ当時ちびっ子だったのにほんとボロボロに泣いたなあと思い出したり。

 

『映画 ゆるキャン△

本気で出版業界に従事したいなら志摩リンみたいに地方へ飛んででも小さな出版社から始めてみるべきだったよな~...とガチめな後悔から始まり、まあそれは個人的な事情だからどうでもよくて、野クルまわりの面々の「その後」が、かなり「ありそう」でかつリアルすぎない範囲で描かれてるのがとても良かった。

 

『犬王』

ここ最近流行り過ぎていたミュージカル型アニメ映画のひとつの完成形だと思った。鎌倉時代の日本と現代の日本の狂騒に同じバイブスを見出すという発想がとても面白く、こんなん当時の技術じゃありえねーだろって演出にも一応の理屈を付けることができてる辺りに湯浅の高い技術を感じざるを得なかった。

松本大洋と言えば『東京ヒゴロ』を読みましょうね。

 

【白夜極光】 1.5周年記念動画公開 - YouTube

B=大久保俊介がようやく公式で明かされた訳ですが、マジで極端なことを言うとここ1年くらいずっとイラストもアニメもSNSの在り方も大久保俊介が自分の中ではトップにいて。短いPVとは言え初監督作品でこれだけのものを提示してくれたのが本当に嬉しい。マジで極端なことを言うと今年最高のアニメだと思ってます。森佳祐が描いてるのもエモい。

 

白雪 (White Snow) - Eve MV - YouTube

藤田春香が京アニを出て初となる監督作品、が、急にこんなタイミングでこんな凄まじいもので来たので流石に声出た。既に数々のオタクが指摘しているようにヴァイオレットエヴァーガーデンであり、山田尚子からユーフォのED演出を引き継いだ存在であり。バトンは確かに渡されていくんだなあと感じさせてくれる力強い映像。

 

【フルバージョン】Z会グループ × loundraw × FLAT STUDIO 受験生応援ムービー『ふたり分の証明』 - YouTube

バトンと言えば同日公開のこれなんかまさにですよね。新海誠からloundrawへの明確なバトン。めちゃめちゃに良いのは言うまでもなく。ただしもう、loundrawは明確に新海誠とは異なる作家性を手にしています。『十年分の私へ』で試行された恣意的に抑えられた冬の色調が、倍以上の尺で結実している。これは本当に凄いことだと思う。『未来想像記』で希求された春も『サマーゴースト』で希求された夏も、loundrawの中では冬を中心に廻っているのかもしれない。

 

22/7 『曇り空の向こうは晴れている』music video - YouTube

ナナニジ以降の堀口悠紀子絵の集大成だと思います。折り重なりループするストーリーの加速度と作画のエネルギーの加速度の理想的な調和。これ以上言うことはない最高のMVです。死ななくてよかった。

 

ROF-MAO - I wanna! You wanna! - YouTube

キャラ萌えで言ったらダントツ最強なMV。ふわっちファンの我が妹もえぐいえぐい騒いでたんでこれはたぶん女性ファンの総意なのかなと思うんですけど、あっちむいてほいシーンの各ライバーのリアクションの解釈一致具合がマジでえぐい。俺実は甲斐田くんかなり好きなんですけど....これはマジで"萌え"..............

 

葉の茶 ハハハの茶/そよ風篇 - YouTube

豊井フォロワーらしくて良い。豊井本人がそうだけど、商業シーンにこのタイプの絵は出てきにくいので珍しさという意味でも傑出してる。

 

漫画『化物語』シャフト制作特別PV - YouTube

大暮維人の絵で動いてるだけでも凄いのに、既にアニメ化されたシーンをシャフトがもう一度アニメ化するという試みが面白い。まよいマイマイのラストで締めてるのも良いですよね。やっぱまよいマイマイなんだよなあー。いま宮本幸裕が欠けたらめちゃめちゃヤバいので、シャフトはもっと宮本幸裕を大事にしてください。

 

DIALOGUE+「1000万回ハグなんだ」アニメーション Music Video - YouTube

竹下良平の新作。商業戦略的にはどこをターゲットにしてるのか全然分からないけど、創作としてはわちゃわちゃしてて面白い。あと睦月周平の作編曲と田淵智也の詞がやっぱり良い。いくつかのDIALOGUE+過去曲がイントロとアウトロの演出に用いられてるけど、アイガッテランテを入れたまま通してるのまあまあやばいと思います。そのうち消えそう。

 

【Ado】風のゆくえ(ウタ from ONE PIECE FILM RED) - YouTube

森匡三最強!

 

名取さな - モンダイナイトリッパー!【オリジナルソング】 - YouTube

植草航は天才。ただ、最近はPie in the skyの面々で効率的にアニメを作ってるので個人作家性が若干薄れてて、カラスは真っ白のMVやってた頃のような凄まじい密度のアクションは少なくなってきてるのがちょっと悲しい。

 

 

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長えよ。

来年はちょっと他所で真面目なアニメ語りを試したいので、このチラ裏メモシリーズも今回でとりあえず一区切りにしようかなと思ってます。長いし。

それではよいお年を。

 

良かった音楽15選 / 22年7月-9月

はい。全然未完のまま放置してたので。ミカーン。え、12月!?!?

・起床。弾力-3

・今日も出社か...。弾力-100

・地球をアイスピックでつついたとしたらちょうどいい感じにカチ割れるんじゃないかというくらいに冷え切った朝。弾力-1

・そんな朝の多摩川沿いをクロスバイクで駆ける。弾力+5

・現在の弾力ポイント合計 -99

でも今書かないと年末にしわ寄せがくるんです。ファミマ見た?ところでハイコンテクストすぎる怪文書を受け止めてくれるのは今のところ柏森進ぐらいなので皆さんにはお勧めしません。

 

前前回(22年1-3月)↓

 

前回(22年4月-6月)↓

 

 

尾丸ポルカ『サイキョウチックポルカ

こーーれ"やってる"コード進行のポスト渋谷系始まったなあ→Bメロの作編曲で田■秀和を確信する感じ。そこにおまぽるの力強い歌声が乗った文句無しのパワーチューン。作詞にこだまさおりを据えて名実共に完全にアイカツのオタク殺しにきてる。ヤバい。

間奏の螺旋階段形のストリングスの使い方が巧すぎる。ポスト渋谷系によくみられる要素ではあるけど、短く切ってある種効果音的に作用させているのが浮遊感に一役買っていて気持ちいい。このBPM帯ならではかも。

 

星野源異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)』

「おばけはいるぞ だけど生きた人よりは怖くないよ」。もうこの一節だけで今年の死生観表現トップはこの曲で決まりだな.......という感じ。徹底的に冷たい眼差しで人々の営みを捉え続ける、星野源の本質が詰まった一作。

五十嵐祐貴によるMVも素晴らしい。同人誌「高円寺のモンスター」の延長にある気もするし、同時にダンサブルな曲調を支えていたりもする。

 

22/7『曇り空の向こうは晴れている』

22/7 『曇り空の向こうは晴れている』music video - YouTube

死にたくなる日々への強い肯定と寄り添い。曇り空をいつ抜けられるか、そもそも抜ける手立てはあるのかなんて全然分からないけど、普遍的で物理的な事実として曇り空の向こうは晴れている。アイドル/偶像ってこういう曲のために存在するのだと強く思わされる。これが例えば一人のシンガーソングライターの曲とかだったら青すぎて聴けない。

MVはかなり凝ったストーリー仕立てになっていて歌詞の内容とはあんまり関係無いんだけど、ほろ苦い青春が、爽やかに、すごく丁寧に、堀口悠紀子作監の圧倒的な絵で描かれていて、音楽体験の強度をぐんと押し上げる。MVと歌詞のリンクってあまり明示的にやりすぎちゃうと一瞬で野暮ったくなるので。空気感さえ共有できてればいいと思う。

 

May'n『あはっててっぺんっ』

オーイシマサヨシ好きならみんな好きだろうという感じだけど曲構成が結構やってる。

まずTVサイズ版の話。1番サビ終わりまでだと60数秒しかないので、TVアニメ特有の89秒フォーマットに揃えるためか"フル尺のアウトロでしか使わないタイプの展開"が挿入されている。大橋彩香の『シンガロン進化論』でやってるタイプのやつ。まあ後々リリースされるフル版から持ってきたんだろうなという想像はついたけど滅多にない曲構成なのでびっくりした。

次にフル版の話。2番でAメロとBメロの順番を逆転させた上で凄まじい転調でサビへ繋げてるのがかなり面白い。やしきんが共同編曲を手掛けてるので、『今宵フェスティバブル』を意識したのかも?

 

定盛姫歌(CV:富田美憂)『プリザーブド☆アイドル』

作詞結城アイラ、作曲俊龍、編曲yuigotとかいう分かりやすすぎるくらい"強い"布陣。ボーカルが富田美憂なのもすごい。覇権という概念に全く興味が無いので最近ようやく気づいたんですけど、富田美憂ってもしかして今の若手声優の中で一番売れてる?流石に鬼頭明里?いや鬼頭明里ってもうベテラン?

俊龍にしては珍しくアンニュイな感じでサビが始まるけど、全体を見るとやはりキャッチーで可愛い。『Cherish』『Diverse』は他にもマジで良い曲しかなかった。神田ジョンすごい。アサルトリリィすごい。

 

やくしまるえつこメトロオーケストラ『僕の存在証明』

これを2022年4月の曲とするわけにはいかんだろうということで。先月公開された劇場版ピンドラ総集編後編のOP主題歌。わざわざ新規でOP映像が作られていて、TVシリーズのものとは対極的な演出なのが本当に良かった。りんごちゃんが燃え尽きなかったり。

『ノルニル』『少年よ我に帰れ』と同じく間奏→Cメロの圧倒的な展開力が印象に残る。

 

DIALOGUE+『デネブとスピカ』

今期田淵3曲ありまして、うち2曲は、まあ田淵なので結局好きになってしまうんだけど手癖だなという印象。特に誰彼スクランブルはかなりユニゾンの色が出てる。

デネブとスピカですよ。意味わからんぐらいやばい。DIALOGUE+で一番良い曲かも知れない。

僕たちは空も飛べないし、些細なことが大問題なんだよなあ。悩んでいてもお腹は減っちゃうんだよなあ。季節が巡ったらさっきまでの君はもういないんだよなあ。今日もダメ、はがゆいままのふたりだったなあ。僕らが生まれた地球ではそっちも重要なんだよなあ。

ニゾンなり声優音楽なり田淵が関わっている曲は随分長いこと大量に聴いてきたけど、ちょっとこの詞は群を抜いてる。そのぶん詞の強度の方が先行していて多少掴みどころのないメロディになっている気もするけど、堀江晶太の編曲があまりに綺麗なので何遍でも聴ける。何遍も聴いているうちにメロディもパズルみたいに解けて組み上がっていく。大丈夫。まじでやばい。

 

かめりあ・超機裝旋楽隊『すべてが幻になった後で』

かめりあ・超機裝旋楽隊名義だけでアルバム1枚作ってほしい。やっぱこういう路線書くとき一番猫又フォロワーっぽさ出るよなって思う。ブレイクで。

今更だけどかめりあ・超機裝旋楽隊とかカモメサノエレクトリックオーケストラ(或いはカモメサノダブルクリックバンド)とかるもむぼんマルチバースオーケストラとかってやくしまるえつこメトロオーケストラから来てるのかな

 

(ここから22/12/13追加分)

 

T-HEY & TANEKO『ダイバージェンス

ポップン最新作のデフォ曲。最近のパスピエがよくやるニューウェーブリバイバルっぽい感じでBメロまで進行し、サビで爆発的にT-HEYらしいオシャレさが光る。カラスは真っ白の頃からそうだったけど、T-HEYとヤギヌマカナ(現・やぎぬまかな)のオシャレさはやっぱり出自が違うというか。ドラマーらしいリズム主体のアプローチが面白くて、ゲーム的にもノーツを捌いてていつも気持ちいい。

EX譜面はCS7の『ミラクル』に匹敵する狂ソフラン

 

harmoe『ふたりピノキオ』

harmoe、全曲最強だよ~~~~。Tomggg。作詞が中村彼方なのも良いよね。ァのオタクをクリティカルに刺しにきてる。

アニソンにもバチバチの編曲力(音の"強さ")が求められる昨今、トラックメイカー的アプローチとポップス的アプローチの両方から圧倒的クオリティで攻めるのははっきり言って頭が良すぎると思う。2番の「君も大概、言ってることと、やってることが~~!!」からのドロップがマジでアツい。

 

にじさんじ『Hurrah!!』

じんベストワークス案件ですこれ。言うまでもなく。

視聴覚室の応募忘れてなかった&当たってたらワンチャン行きたかったかも知れない!

 

ツユ『アンダーキッズ』

創作物でいじめとか毒親みたいなセンシティブなモチーフ擦る風潮全然怖いんだけど(小学生の頃、クラスに「いじめ的な漫画好きなんだよね笑 ぞくぞくしちゃう」と言ってる女の子がいてこいつほんと家庭環境全く問題無いんだろうなーと戦慄した記憶が何故か急に蘇った)、ここまで徹底的にやってると面白い。タコピーもそう。一ノ瀬家は現状なんとも...まあ五十嵐海フォロワーだから読むけど。

終始展開し続けるから初めて聴いたときのインパクトがとにかくすごい。「なんか話題になってんな、とりあえずワンコーラス聴いとくか」の精神を真正面からぶん殴ってくる。

 

YMCK feat.MCU『笑い合う時』

クラムボンとデデマウスを主題歌に呼んだ上に毎話書き下ろしのイメージソングにTWEEDEESらを呼んだ『ユーレイデコ』というぶっ飛んだサブカル商業戦略をかけたアニメがあり、その中の1曲。

TWEEDEES『meta meta love』もすごく良いけどどちらか選ぶならこっちかな。やっぱmidoriの声良すぎるよ~~~

 

パスピエ『スピカ』

音数の少ないストイックな編曲がシンプルに胸を打つ。からの超キャッチーなサビ。「君の手を握った 逃げたくなった」というフレーズの語感の良さ。あ、先日行われたパスピエと長谷川白紙のツーマン「印象F」の話します?さも当然のように『横顔 S』から始まったこの「印象 F」長谷川白紙パート、つまりは奇しくもMaltine Recordsを介して8年前の自分と今の自分が音楽的連続性の上に置かれ、有機的に接続された気がしてすごく嬉しかった。パスピエ『マッカメッカ』のカバーと花譜『蕾に雷』のセルフカバーも良かった。自主企画だからか、パスピエパートはマイナーめな選曲だった印象。『スピカ』や『発色』など最新の曲も演った。『発色』の話は年末にしますが...やばすぎる。ここへきて脂が乗ってるこのバンドほんとなんなんだ。マイナーめなセトリが故に『トキノワ』での締めがまあすっげえ刺さる。アンコールでは長谷川白紙『砂漠で』のカバー(成田ハネダ曰く「学生時代に戻ったつもりで完コピ」)を披露。本当に意味が分からんくらい凄かった。「印象F」の思い出話は特にぶっ刺さった音楽体験のひとつとして死ぬまで擦るつもりなので音楽好きの各位は覚悟しといてください。

 

ときのそら『ピッとして!マーマレード

あのね、田淵のオタクはこのタイトル見ただけで「あ~~はいはい、ブラス多めな編曲で16分譜割り詰め込んだ田淵曲ね」と予想できちゃうんですよ。割とマジな話。

明らかにそらちゃんが綺麗に出せる音域を飛び越えてしまってるのが勿体ない。ここ最近の田淵はDIALOGUE+メソッドの流用が多い気がする。

 

追伸。

・かなり久々に動画作った。いつもながら無言で上げても現役のアニメーターや制作進行が掘り当てて評価してくれるので助かる。来期以降数多の作画アニメが控えてるタイミングで改めてあー俺やっぱシンプルに作画好きだなあって確認できてよかったです。

↑これ山村(洋)さんにfavされて嬉しかった。(221212)

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これちゃんと15曲になってる?なってるよね?まあいいか。

ではまた年末に。(=w=.)